究極の密室殺人事件 ★ [笑ったり遊んだり]
先日まで、Wikipedia・第弐回執筆コンテストが開催されていました。
【分野A】の記事で、次点となった、「密室殺人」を記念(?)して。
クイズの本かなにかで、生まれて初めて読んだ密室トリック(……小学生くらいだったかな?)は、扉の内側の落とし錠の周囲が濡れていて、部屋は密室になっていた、というものでした。錠がかからないように、氷の固まりを挟んでおいて脱出して、やがて溶けた氷が周囲を濡らし、錠が落ちてかかる……、というアレです。
氷(つらら)と密室、で思い出されるのは、島田荘司『斜め屋敷の犯罪』でしょうか。トリックは先の落とし錠のモノとはまったく違いますが、ある程度大人になってから読んだ限りでは、荒唐無稽さはどっちもどっち、という印象でしたね。
自分の読書傾向のひとつに、密室と聞くととりあえず読んでみる、というのがあります。幸いなことに(???)、ボクは一回読んだ本の、内容もトリックも犯人もラストのどんでん返しも、すべてあっという間に忘れてしまう、という才能を持っています。ですから、同じ密室ものであっても、何度でもびっくり仰天することができるんですよね。……喜ばしいことなのかなんなのか。
■『哲学者の密室』
笠井潔 創元推理文庫
ISBN: 4488415040
お気に入りで、それぞれ2,3回ずつ読んでいる、笠井潔の「矢吹駆シリーズ」。シリーズ四作目はそのタイトルもズバリ『哲学者の密室』。
詳しいストーリーなどは割愛しますが、タイトルに密室とある以上、それはもう強固な密室が登場することは間違いありません。そして、名探偵・矢吹駆が登場するのですから、密室の謎が解き明かされるというのも、これは確実な情報です。何度か読んだにもかかわらず、ボクはそのトリックも、犯人も、被害者の置かれていた状況も、一切記憶していませんから、あらためて読んだらきっとびっくりするに違いありません。
■『有栖川有栖の密室大図鑑』
有栖川有栖/磯田和一 新潮文庫
ISBN: 4101204322
そんなあなたに……、というわけでもないのでしょうが、密室ダイジェスト版とも言える文庫本があります。この本は、新本格の旗手・有栖川有栖の密室解説文に、画家・磯田和一が、密室の図解を描いているという内容で、基本的にネタバレはない(というか、少々トリックが判ってしまっても、そんなに問題がない程度に留められている)という解説書です。
収録されている密室作品は、40作。ボクが読んだのは、1/4くらいだったでしょうか。どれも内容をきれいさっぱり忘れているので、図解と合わせて読んで、かなり楽しめました。部屋の構造や鍵のかけられた状況など、作中ではきちんと記述されているミステリがほとんどなのでしょうが、半ば飛ばし読みぎみなボクの読書スタイルですので、こんな密室だったっけ? と新鮮な発見ばかりなのです。
※イラストは、いずれも『有栖川有栖の密室大図鑑』より。
『哲学者の密室』も、紹介されています。複数の密室が登場しますが、その中でも最も有名な、ある意味「究極の」密室である、ハンナの小屋です。磯田さんのイラストを参考にして、これを紙工作で、作っちゃいました。
◆ハンナの小屋(笠井潔『哲学者の密室』)の紙工作型紙 (約30kb)
※PDFファイルの紙工作型紙(無料)です。転用・転売・直リンクなどはご遠慮ください。
※密室なので、印刷面の部屋の中を内側にして、きちんと糊づけして、中が見えないように厳封するのがミソ。
【追記】
何がどうして「究極」なのかは、ミステリファン&密室マニアには、有名すぎる話ですよね……。アレが無いのよ、アレが。ね、筒井康隆さん。
【追記2】
新版では、修正されているそうですが……。
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by ラルフローレン 通販 公式 (2013-10-29 20:22)